
友恋
第6章 表情
「今日眠れなくなったら電話でもしろよ、相手してやるから。」
家への帰り道で悠樹が笑いながら言った。
「ちょっとー、忘れかけてたんだからわざわざ言わないでよ、思い出しちゃったじゃん。」
2つの影が道路に伸びる。
どこかでカラスが鳴いている。
「あ、ゆう。」
「ん?」
家の近くまで来ると悠樹が私を引き止めた。
「今日付き合ってくれたお礼。」
そう言って、悠樹が可愛らしくラッピングされた袋を私に差し出した。
「…いや、お礼って…私だって買い物付き合ってもらったし。」
「良いから。ほら。」
