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友恋

第6章 表情





「で、何の用ですか。」


女の子たちからの視線が痛い。

さっさと用を済ませて帰ってほしい。



「そうそう、水無さん図書の貸し借り名簿持ってるよね?次の担当俺だから、受け取りに来た。」


「あ、私に用だったんですか!ちょっとお待ちください。」


楓はまさか自分に用だったとは思ってもいなかったようで、カバンの中から急いで名簿を探す。



「…私に用がないならわざわざ呼ばないでください。」


しかも、“姫”だなんて。

余計に目立つし。



「用がないなら姫のこと呼んじゃダメなの?」


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