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友恋

第6章 表情






「おせーよ。」


谷中蓮の前に立つと、鼻で笑われた。



「だったらそっちが来れば良いじゃない。」


私は目を合わせることなく言った。



「随分と可愛くねー後輩だこと。」


その言葉にハッとした私は、谷中蓮に視線を移した。



「名前で呼べって言うから…同い年かと…」


この人、年上だったのか。



副委員長の隣にいて仲良さ気だったってことは2年生か。



「あ?あぁ、別に良いよ、蓮で。そういう意味で言ったわけじゃないし。」


「いや、でも…」



年上と分かれば尚更名前の呼び捨てはハードルが高い。



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