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友恋

第6章 表情






「えっと…?」

私は谷中蓮に向かって首を傾げる。



「ち、ちげーよ。あのあと、鈴があのお姉ちゃんにも買ってあげたらって言ってきたから、ついでに買っただけだから。」


少し顔を赤らめている谷中蓮を見ると、こっちまで照れくさくなる。



「それ渡したかっただけ。んじゃな。」


居心地が悪くなったのか、谷中蓮は颯爽と教室を出て行った。



「え、ちょっ。」

私は急いで廊下に出て、谷中蓮の背中を見つめる。


その背中を見ているだけで胸が高鳴る。

鼓動が早くなる。



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