
友恋
第6章 表情
「別に取り合いされてなんかないけど。」
「えー、だって副委員長からは明日お誘いされて、谷中先輩と橘くんからはプレゼントじゃん?なんかこういう展開楽しくなってくるね。」
楓がウキウキしながら筆箱についているキーホルダーをいじる。
私は先程もらったメロンパンダのキーホルダーを見つめる。
「…今のところ谷中先輩が1本リードかな?」
楓がボソッと呟く。
ヒョイッ
「あっ。」
「…なにこれ。」
気づかぬ間に背後にやってきた悠樹が私の持っていたピンクのメロンパンダのキーホルダーを取った。
「…さっきの先輩からもらったの?」
微妙な空気が私達を包み込む。
