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Another World Warning

第1章 始まり

高校生活も3年目半ばに差し掛かろうとしている。

歩き慣れた家路、見慣れた我が家。

開け慣れたドア。

「ただいまー」

宮澤慶(みやざわけい)は玄関で呟くように言った。

いつもならただいまなんて言わないのだが、明日から土日休みだというのもあるし、何より今日はとてもワクワクしているから言ってみた。

母が少し遠いところのドアから顔を出す。

「おかえり、慶。 晩御飯出来てるからね。」

「うん」

時刻は午後7時。 部活にはずっと入ってなかったが、最近は補習とかいうやつのせいで帰るのがとても遅くなっている。

大学なんてどこでも行ければいいんだ。

正直言うと、自分はそんな頭が悪いわけでもないし、勉強なんかしなくてもそこそこの大学に入れるとは思ってる。

そんなことが頭の中でぐるぐる回りながら、無意識に自分の部屋へ入り、無意識に参考書がこれでもかというほど詰まったカバンを置き、無意識に手を洗い、無意識にダイニングへ向かう。

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