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あいつがいない世界

第1章 ~始まりのモノガタリ~

「ねぇ……」

急に俺の横で歩いている友人。

里橋琴菜が口を開いた。

「なに…?」

重い空気の中、返事を返すのも一苦労だった。

「翔悟は私のこと、どう思ってるの?前から気になってたの…」

明らかに照れ隠ししているのが見てとれた。

「ちょっとニヤついてる。」

と、笑いながらそのことを言うと、
次は赤くなって

「うっさい!」

と叫んでいた。

「それで…どう思ってるの?教えてよ!!」

「えぇー…」

びっくりするくらいの大声で聞いてきて、俺が恥ずかしくなってきた。

こいつには敵わないな、一生。

「嫌いじゃない」

「えっ!…?」

「だから、嫌いじゃない…って……」

相当驚いたらしく、目が真ん丸になっている。

俺のそのままの気持ち。ちゃんと言った。


「そっか、じゃあ明日ね!バイバイッ!!」

また照れ隠しなのか、ササッと走っていく。

いつの間にか姿は見えなくなっていた。







ホント







消えたみたいに………。

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