僕が僕を殺した理由
第2章 。
ノラ>私もね、今日は良い一日だったんだと思う。ただね、ちょっと、不安になっちゃった。
朔>不安?
ノラ>そう、不安。きっと不幸体質が身に付いちゃってるのかな。良い事があっても素直に喜べないの。きっと本当は、なんて相手の言動を疑ってしまう。そしてその後に悪い事がおこると、ほら、やっぱり、って安心できるの。今はその途中過程っていうところかな。私の悪い癖だね笑。
朔>そうかなぁ。ノラらしくて、僕は好きだな。だってそれって、ノラが慎重な証拠だろ?その時の感情で突っ走るやつより、僕にはよっぽど信用できる。そいつ一人の身勝手な暴走で振り回されるのは、周りの人間だからね。僕にしてみれば全く迷惑な話だ。そして、それは僕が最も軽蔑する人種だ。
ノラ>それは、誰の話かな?もしかして朔のお友達?笑
ノラの言葉に僕は瞬時に我に返り、キーボードを打つ指が止まる。ノラはきっといつになく感情的な僕の言動を指摘したのだろう。そう思うと僕は見透かされた事に恥ずかしさを覚え、それと同時にノラに嫌悪感を抱いた。
「‥‥ノラに俺の何がわかる」
チッと舌を打ち、そう呟く。今日はこの辺で終わりにした方がいい。そう僕の自尊心が警告にも似た激しい頭痛で僕の思考を停止させようとしてきたが、この指はそれを許さないようだ。
朔>ハズレ笑。親友の周りにそういう人間がいるらしく、それでそういう相談も受けてたんだ。その矢先の話だろ?だからついね。
ノラ>なるほど。正直、いつもよりお喋りな朔にびっくりして、へんに勘ぐちゃった笑。
朔>また驚かせてしまったようで、すまない。
ノラ>ううん。私こそ、ごめんね?せっかく朔が私の事を思ってくれていたのに‥‥。
朔>ノラが謝る事なんて何もないよ。
ノラ>朔ってほんと、優しいね。朔は私の中のヒーローだよ。いつも救われてる。
朔>ノラは僕を買い被り過ぎ笑。
ノラ>そんな事ないよ。だって、私はここで朔とお話しするだけで、いつも元気になれる。もう一日だけでも頑張ろうって、明日に少しの希望が持てるんだ。
朔>うん。
ノラ>ねえ‥‥、朔は?朔は救われてる?あたしは朔を救う事ができてるのかなぁ。