剛チェイ
第1章 46~47話後
「…」
もう朝か
気力が…無い
何も考えたくない、思いたくない、
それでも
気持ちとは裏腹に
よぎる
あいつが…最後の…
‘壊れたチェイス’が頭をよぎる、止めろ
止めてくれよ…、
眼に壊れたチェイスが…
「あ゛あ゛ああああ゛ああッ」
苦しい
「…ッ、ハァ…ッ…ヒッ…」
うまく、息が…、っ
「…ヒュッ……ヒィ……ハアッ…ハアッ……ハアッ……ハアッ……ハッ……スウゥっ……フぅッ…」
頬に嫌な汗がつたう、
「…ッ…………………ゴホッ……ッフぅ……ああ゛」
正直、俺、あんなお前は見たくなかった…
「…チェイ…ス…」
少し掠れた声で名前を呼ぶ
なんで
チェイスなんかを
ロイミュードの癖に…、
本当に、「“ふざけんなよ”」
チェイスなんか…どうだって良い…寧ろあいつはロイミュード…、だから、…なのに俺は何故こんなに、
“チェイスお前を”
詩島剛…、俺は今何を考えた、
…、あんな奴、…チェイスなんか好きな、はず…が
なのに嫌という程に‘…生真面目で全然笑わねぇ、なのに誰よりも“人間をもっている”チェイス’を思い出してしまう…
なあ、バカだよな俺
な、チェイス
「剛」
ははッ…俺も無様だ、いよいよチェイスの声が、
「剛、俺だ」
「剛何故無視するんだ?」
「霧子を泣かせたから怒っているのか?すまなかった、だが霧子は何故泣いたんだ?」
あぁ…、嫌、俺、好きだった、…好きだったんだ…だってこんなにも涙が溢れる…今だってあいつらしい的外れな事言っちゃってるし…さ……な、?…ほら…チェイスは……ちゃんと居るんだ…ならこんなとき位素直に…
ほら、俺の目の前に居るアイツみたいに…、
大切な奴に
伝えないと、お前がまた勝手に俺の前から消える前に
なあ、チェイス、俺…
早く、早く…
あれ、
何を、俺は焦って、
チェイスはもう俺を残して消えたりはしない、
なら…、なんで?
あれ、チェイスが…
チェイス、?
おい、何処だよ。
なあ、笑えねぇし、お前に似合わねぇ冗談なんか…
止めろよ、
っていうかお前バカにしてんのか、今俺そんな冗談通じる程、余裕ねえから…なあ…おい…
チェイス!!!
てめぇ笑えねぇ冗談止めろっつってんだよ!!!!
『“ふざけんなよ!!‘チェイス’”』
―――――
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