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秘密のおとぎ夜話

第7章 【赤ずきん】森の中

るん、るん、ふふん♪

明るい鼻歌を森の中に振りまきながら、愛らしい少女が歩いていく。

紅い頭巾がよく似合う、16歳の女の子は、背丈が伸びないのを気にしているが、村のみんなからは「赤ずきん」と呼ばれてかわいがられていた。

今日は、先週体調が悪かった祖母のお見舞いに出かけるところ。
(お母さんは、森の中は危ないって心配するけど…)

母に頼まれてもいないのに、先週に続いて「お見舞いに行く」と森へ入った少女は、上機嫌だった。

あの、秘密の場所を目指して。


それは、大木の陰になった場所に、オレンジの花が咲いている場所。

「あった…!!」
少女はほほを紅潮させて、その場所に足を踏み入れる。

花のそばには、大小の白いキノコが地面から顔を出しており、少女の目線は花よりもそのキノコに注がれている。

「こ、これくらいかな…」
少女はキノコに顔を近づけて見比べ、小さめのキノコを見つめてゴクリ、と唾を飲み込んだ。

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