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秘密のおとぎ夜話

第18章 【人魚姫】砂浜で

ザザ…………

波の音が聞こえる。

そして耳もとに荒い息づかい。

「はあっ…こりゃ…すげえや……っ」

今までに感じたことのない重苦しい痛みを感じて、
人魚姫は叫び声をあげた。

つもりだった。

実際は目を見開き、口を開けて
ひゅっ、と喉を鳴らしただけだ。

「お、目が覚めたかい。……すまんね、あんた、溺れたのかい?
っ…助けてやるから…1回だけ、なっ」

人魚姫は砂浜の岩陰に敷いたボロ布に横たえられていた。

初めて見る、あんなに望んだ自分の脚が、大きく左右に開かれ、その中心から痛みが生まれる。

男が動くたび、何度も。

粗末な着物の前をはだけさせた若い男は、男にしては小柄だが、少女の力で押しのけることはできない。

(砂浜で、船の上のアレと同じことを……私がしてる?)

痛みに耐えながら、人魚姫は動揺していた。

(アレがこんなに痛いなんて!)と。

その時、頭上で別の声が響いた。

「おいおい、1回だけじゃねえよ。1回ずつ、だろ!」

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