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桜舞 〜刀剣女士、百華繚乱!〜

第2章 仲間との出逢い

「ここがあんたの部屋だぜ、蜜姫。」


「ありがとう、薬研殿。」



「―なあ、ひとつ聞いていいか?」


「・・・?はい。」


戸惑いの色をたたえる、彼女の菫色の瞳。



「あんたの前の大将って、どんなひとだっ「ごめんなさい、それには答えられません。」


半ば被せるように、蜜姫は謝る。


「何故だ?」


「それは・・・」


それに対しても、言いかけて

そして哀しそうに唇を閉じてしまう。


「あんたは俺たちの仲間になった。なら、過去も素性もすべてを話すべきじゃねぇのか・・・?」


「分かってます・・・!でも・・・」


「なあ?」


「わたしに必要以上に近づかないほうがいいわ・・・貴方が、賢いなら。」


哀しげな、悲痛な表情(かお)をして―意味深な言葉を言う。



「なんでそんなこと・・・」


「さあ?」


彼女は薬研を部屋から追い出し

ぴしゃんっ、と襖を閉めてしまった。


◆◇◆◇


追い出された薬研は、一期の部屋を訪れていた。


「いち兄、入るぜ。」


「薬研・・・どうかしたのか?」


「蜜姫、俺っちが昔の主のこと聞いたら・・・泣きそうな表情(かお)してたんだ。」



「あまり詮索するのは酷というものですよ、薬研。」


そう言って、一期は弟を咎める。


「なんでだよ、いち兄?」


「もし、彼女にとってつらい思い出だったらどうするのです?」


「分かったよ、いち兄。」


薬研はまだ言い足りたりなさそうだったが

蜜姫が傷口をえぐるような想いをするだろうと悟り

それ以上何も言わなかった。

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