テキストサイズ

秘密

第26章 伝

※大野side


俺はわざと2つのカレーを隣に並べた

それなのに後ろから付いてきたニノは向かい側に回ろうとする

……

「こっちこないの?」

「はい?」


「だから、隣で食べないの?」

「なんで大人2人が隣で食べないといけないんですかw」

「いいじゃん、早くここ座って」

トントンって俺の隣を叩くと

「まったく…」


って言いながらも嬉しそうな顔して俺の隣に座ってスプーンを置いた


『いただきまーす』


「うんめぇ!」

「大げさなw」

「ニノも食べてみろよ!これ本当にお前が作ったのか?」

「はいはい…失礼な」


渋々自分が作ったカレーを食べるニノ

「うまっ…」


「だろ?」

「ま、まぁ、俺が作ったから上手いのなんて当たり前ですけどね」

照れながら言うなや
耳真っ赤だよw


俺らは黙々とカレーを食べた

洗い物は俺

だってニノが、食っただけとかせこいです、って言うんだもん

お皿2枚とスプーン2つ

いつも1つずつのそれは2つあるっていうだけで幸せだった


手早く済ませてソファにいるニノの元へ向かう


「ありがとうございます」

「こっちこそ、カレーありがと」


「帰るんですか?」

「明日仕事だからな」

「俺もですけどねw」

「また明日」


「はい」



玄関に向かって靴を履き終えるとニノの方を向いた

「ありがと、ニノ」

「はい」

「じゃ」

鍵を開けようとしたら後ろから抱きついてくる

「バイバイのチューは?」

「え?」



……待って
今のめちゃくちゃ可愛かったよね?
いつも敬語のニノがタメ口になっただけでこの破壊力
それにこの歳になってチューって…//

再びニノの方を向いて唇にそっと口付けた

「ありがと、大野さん、また明日」


「おう、じゃあな〜」


鍵を開けて外に出る
車に乗り込み唇に触れる

キスしたんだ…ニノと



浮かれながらも車を走らせた



ストーリーメニュー

TOPTOPへ