テキストサイズ

秘密

第2章 事実

「ただいまーー」

「あ、さとしくん!」

ギュッと戻ってきた長瀬くんに抱きつく

「おかえり!」

って見上げると困った顔しながら

「もぉー甘えん坊だなー」

って抱っこしてくれる

(だって寂しかったんだもん)

16歳って言ったって身長は150cmだし体重なんて30kgあればいい方

だからひょいって持ち上げられる

そのままソファに戻されると長瀬くんは凄く悲しそうな顔をした

少なくともルナにはそう見えた

でも何も言えなかったんだ

長瀬くんはルナに何か隠してる
そう思った

でも秘密の一つや二つ持っていてもおかしく無い

話してくれる日を待つのがいい

「ルナ、ちゃんと聞いてくれるか?」

すごく真剣な顔をしてルナの手を握りながら問われた

一気に緊迫した空気が流れて声が出ず頷くことしかできなかった

「今日ルナを連れ出したのはお父さんに頼まれたから」

「知ってる」

「そのお父さんが今何してるかわかるか?」

「わからないよ」

「実は、病院に行ってるんだよ」

「病院?なんで?パパ病気なの?」

「そう、それもすごく重い病気なんだ。命もそんなに長くない…余命ってわかるか?あとどのくらい生きれるかっていうやつ。それがそろそろなんだよ。いつお父さんが死んじゃってもおかしくないんだ」

「なにそれ……パパいなくなっちゃったらやだよ!やだよ…やだ…いなくなっちゃやだ…!!」

「ルナ!落ち着いて、ルナは1人にならない。俺がいる、お手伝いさんもいるだろ?」

「でも…でもみんな家族じゃない!」

「…病院…行こう」

「」

なんで、なんでなの
なんで長瀬くんに言えてルナには言えないの

病気なんて…

ストーリーメニュー

TOPTOPへ