捕らわれて…恋。
第2章 母ボス
「十和子……気づいてる?」
「ん?」
ギンが私の手首に触れ…優しく撫でた。
「縄ほどいてるんだよ。」
「…?だから何?」
「今なら逃げれるよ。」
一瞬、周りの空気が凍りついた気がした。
周りの怪人が慌てた様子で入り口を塞ぎに行く。
「……逃げてほしいの?」
「………いや冗談だよ。せっかくの人質、逃がすわけないじゃん。」
何を考えているんだ。
ギンが全くわからない。
そりゃあ…私だって気づいてたよ。
でも…今さら帰ったって……心配してくれる人はいないんだから。
何の変わりもない人生で私が人質ってのは
少し面白そうだしね。
「…ん―…何か眠たい。あ、そこの怪人達。逃げないから安心してよ。もしそうなったら食べていいから、私を。」
『えっ…姉さん意外と大胆!でも俺、家族いるから無理っス。』
『姉さん俺達が目的だったんですか!?』
「そっちじゃねーよ。」