捕らわれて…恋。
第1章 捕まった
「……………。」
うっかりうっかり
怪人に捕まってしまいましたお母さん。
『災難だなぁ、姉ちゃん。まさか今年が自分だとは思わなかったろ。』
ごもっともです。
大きくて、猫の顔をした怪人が
私の腕に縄をくくりつけている。
立ってるし…
でもちゃんと足は猫だ…
可愛いなぁ…
そんなことを呑気に考えていた。
『…随分と余裕だなぁ…。もっと泣きわめくと思ってたぜ。』
「いや…疲れるし」
あり得ない返しだったのか…大きな目を見開いていた。
『俺らが怖くないのか?』
「めっちゃ怖い、あとなんか気持ち悪い。」
私の周りには、鳥の頭をした人型や
頭だけ蛸のような気持ち悪い人型もいる。
「ねぇ…これから私をどうするの?」
縛り終わった猫に聞いた。
『そりゃあ……上に渡すんだよ。』