秘密中毒
第2章 情事
あたしは何度か、あの人の気持ちを確かめようとした。
もっと抱き合いたいって言ったし、
あたしのことをどう思ってるのかも聞いた。
ぶつかれば答えが出るって、理解しあえるって信じてた。
頑張れば愛が続くと思ってた。
その度にあの人は、「君が好きだよ」
「したい気持ちはあるんだ。」
そう言った。
そしてその後も、あたしが「してない日数」を数える夜はどんどん増えて。
ぶつかってもダメなことがあるってことを、
知った。
子どもが欲しい気持ちは、いつしか封印していた。
あたしはまだ女として愛されたい。
子どもが欲しいからとセックスをせがむのは嫌だった。
毎月生理が来るたびに泣いたのは、子どもができないことよりも、男に抱かれていない自分を突きつけられる気がしたからだった。
――あたしって、淫乱…ていうやつなのかな…
仕事をしてなかったあたしは、自分がセックスのことばっかり考えるのが嫌になって
これ以上あの人を追いかける代わりに
「働きたい」って言ったんだ。