秘密中毒
第2章 情事
結婚して半年経ったころ、あの人が言った。
「ひとりのほうが熟睡できるから」って。
あたしは一緒に寝たかったけど、
仕事して疲れてるんだと思ってあの人の言うとおりにした。
それでもあの頃はお互いに、相手のベッドにもぐりこんで愛しあったりした。
いつからかその間隔が開くようになって。
あたしは、「前にセックスしてからの日数」を数えるようになった。
不安だったんだ。
あたしはあの人を好きで、あの人と抱き合いたかった。
何度めかに「疲れてるから」って断られた後、あたしは自分から甘えていくのをやめた。
あの人はあたしと、したくないの?
あたしに飽きたの?
あたしだけがそんな気持ちで同じ場所を回っているような日々。
たまに、あの人はあたしを抱いた。
そのときだけは、安心できたんだ。
あの人のセックスがどんどんおざなりになっても。
あたしに口で奉仕させて、前戯もなしに入れるだけの行為でも。
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