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秘密中毒

第13章 目撃



一瞬であたしの思考がめぐる。

昼間にあたしを抱いたのに、
夜は別の人とデート…。

この人と、公園でささやきあって関係を深めるんだろうか。

それとも、もう愛し合った後で名残惜しむ時間なんだろうか。

なんにしても、あたしが知ってどうなることでもない。

山田くんが何をしようと、関係ないんだ。

あたしが誰と遊ぼうと山田くんには関係ないように。

自分が昼間、山田くんに放った言葉が、そのままあたしにも返ってくる。


あたしは…

それでも傷ついていた。
見たくなかった。

おしゃれをして山田くんと連れ立って歩く女の人なんて。


泣きながら走って逃げるあたしの姿を見られるなんて、もっともっと嫌だった。

…………

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