
秘密中毒
第14章 最後日
山田くんがあたしの、スカートをまくりあげたお尻の上に放出した。
あたしはコンドームをしてなかったことに思い至る。
はじめてこの部屋でしたときは、つけてくれたんだけど…
「山田くん…どうしてあの、アレつけなかったの?」
コンドームという単語がすんなりと言えなくて言葉を濁しちゃたけど、
山田くんは的確に答えてくれる。
「ああ、悪い。忘れてた」
「……」
あたしと同じで、夢中だったってことだろうか。
それなら少し、うれしい。
「もうちょっとで中出しするとこだった。
俺の子できたらどうする?」
「……」
あたしのお尻に出したものをティッシュで拭いてくれながら、軽い調子で聞いてくる。
仮にも産婦人科の医師のくせに、なんだその軽さは。
だけど山田くんに似ていたら、男でも女でも美しくなるだろうな…
山田くんの子なら、一人で育てるのも悪くない…
なんて自分も軽い想像をしてしまう。
「怒んなよ、次はつけるから」
「ん?あ、怒ってはない…けど」
ん?次…って言った?
「山田くん? わかってると思うけど今日が最後…」
「わかってる」
「わっ!!」
まだ足がガクガクのあたしに気づいてたのか、
山田くんがいきなりあたしをお姫様抱っこして言った。
「だから今日、1日中いじめてやる」
「…!!」
至近距離でクールに見下ろされながら聞く不穏なセリフに、
あたしはぞっとしながらも
幸福感でいっぱいになって、恥ずかしまぎれに山田くんの首にしがみついてしまった。
