秘密中毒
第2章 情事
あたし、水谷アヤは結婚している。
目の前にいる卓也さんとじゃ、なく。
3回目のセックスが終わった後、すぐにワイシャツを着ている彼…川崎卓也は、
これから会社に戻る営業マン。
「アヤちゃん、またメールするよ。来月も会おうね」
ラブホテルの洗面所、大きな鏡の前で髪を整えるあたしの後ろから、卓也さんが腰を抱いてくる。
背はあたしより15センチほど高い170、年は10歳上の38。
お腹にちょっとぜい肉がついてる、見た目普通のサラリーマンだ。
あたしと卓也さんは半年前から、いわゆる不倫の関係なんだ。