
秘密中毒
第6章 発覚
「僕、外回りしてて見ちゃったんすよ。
水谷さんが川崎さんとホテルに入るとこ…」
「…………」
胃が絞られるような不快感。
あのことを誰かに知られるなんて。
「やべ、水谷さんとくっついてたら興奮してきた」
葛西くんの言葉に頭を殴られたようになる。
あたし、ここで襲われちゃうの―――!?
「ちょ、葛西くん…落ち着いて?」
正直、ちょっと前ならこの展開は嬉しかったくらいかもしれない。
だけど――――――。
あたしの中で何かが変わっていた。
昨日からトゲが刺さったように痛いところが、
また疼いている。
「僕とも遊んでくださいよ。それであの事は忘れるっすから………」
あたしの両手首を左手で持ち、右手がウエストから服の中に入る。
膝の間に男の膝が割って入ってくる。
「あっあたし今、アソコの病気なの。エッチしたらうつるよ。」
とっさにあたしは早口でまくしたてた。これはホントのことだ。
「そんなのウソに決まってる」
首筋に唇を押しつけたまま、葛西くんが言う。
「嘘だと思うのはいいけど、痒くなるから。彼女にもうつるよ?」
彼女がいるのかどうか知らなかったけれど。
……………
葛西くんは少し身体を離した。
「じゃあ、舐めて。僕もうガマンできないっす」
あたしの手を自分の股間に持っていき、触らせる。
そこは窮屈そうに張りつめていた。
「え………」
嫌だ。
でも。
卓也さんとの秘密がそれで守られるなら……。
会社で働き続けられるなら……。
何より、あの人に知られずに済むのなら…………。
あたしは葛西くんの要求をのんだ。
…………
……………………
