秘密中毒
第2章 情事
通勤ラッシュの時間帯より少し早い電車を降りて
いつもの顔で家に帰る。
あ、ネギとマヨネーズ買わなきゃ。
途中でスーパーに寄って行こう。
頭の中が主婦色になる。
今日は卓也さんと会ってたけれど、普段は私もパートで仕事をしてる。
いつものように家を出て、秘密を増やしてはいつものように家に帰るんだ。
(こんなことしてるなんて自分でもビックリ…)
時々頭をかすめる思い。
あたしにセフレがいるなんて、きっと誰も信じない。
今までのあたしはいつだって「今の彼」を一途に好きだった。
ひとりの好きな人がいれば、満ち足りていた。
今は……
愛とか恋が信じられずに
ただ身体の欲求を満たしてる。
あの人のせいだ、って言い訳しながら。