
秘密中毒
第8章 恋慕
朝ごはんは山田くんが作ってくれた。
あたしは元気だから作るって言ったんだけれど、病み上がりは座ってろと言われて。
20分で、ご飯と味噌汁とだし巻き玉子が出てきた。
「はやっ!…ご飯も炊いたのに?」
「炊飯器の早炊き機能、使ったんだけど。」
「へ~そんなのあるの?」
「ちょっといじくればわかるだろ。まさかあやとり、知らなかったのか?」
「ご…ごめんなさい」
あたし、この人にはよく怒られてる気がする。
「いただきます♪
ん~!だし巻きふわふわで美味しーーい!なんで?」
「学生時代に自炊しだしたら料理にはまった」
「ふごいえ~」
「飲み込んでから喋れ!」
…………
今だけってわかってる。
今だけあたしはとても幸せだ。
…………
