テキストサイズ

声の魔法

第4章 笑われる?

「何かあった?」喜恵が私の顔をのぞき込みながら尋ねる。


『えっ、なんで?』
「いつものように話にノってこないからさ。」


そう、いつもなら喜恵と彼氏の話を楽しく聞いてるのだが、今日の私はあの声を思い出していたから・・・。

「何があった?」喜恵のクリッとしたまぁるい目を見つめながら、私は朝の声の話をしようかどうか迷った。

きっと笑うから・・・


でも、こんな気持ちは初めて。思いきって口に出してみた。


「めぐみ、その声の持ち主に恋したの?」クスッと笑いながら言う。
『そんなんじゃなくて・・・』
やっぱり笑った。言わなきゃよかった。ため息がでる。


「めぐみの口からそんな話聞けるとは思ってなかったから嬉しい。」


『へっ?』

『バカにしてない?』

「してないよ。いつも私の話聞いてくれるばかりで・・・男嫌いかと思ってた。よかった。安心したよ。」


よくわからないが安心してもらえたようだ。よかった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ