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何人ですか?

第1章 朝日の本音

扉が開き響いたのは
残酷な言葉だけだった。
いくら聞き慣れた言葉も
並べるとやはり悲しく、
残酷なだけだった。
聞き流そうとしても出来ない。
そんな簡単に出来るわけがないんだ。



大人は、悲しい生き物だ。



人の価値は呆気なく決まる。
自分が望んでいなくても
簡単に決まってしまう。
いや、違う。




決められてしまう。




私の価値は大人が決めた。
何を躊躇うわけでもなく、一瞬で。
だから私は嫌いだ。
大人という汚い生き物が。


終わることのない残酷な言葉を感じて
変わることのない価値を信じるしかなくて
笑うしかない現実を受け入れ、一日を過ごし
今日も今日とて一人の自分が叫び出す。




早くここから出してくれ。




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