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何人ですか?

第1章 朝日の本音

気付けば誰もいなくなっていた。
残酷に並ぶ言葉も
夕焼けで影がうつっていたはずの
この場所も全然違う場所のようだ。
真っ暗で誰もいない。
いつもと変わらないはずなのに
少しだけ寂しさを感じる。
きっと今は朝なのだろう。
遠くで鳥の声が聞こえる。



『外の世界』



大抵の人は『外の世界』が分かる。
私は分からない………分からない?


分 か り た く な い 。


なぜだか怖いんだ。
今私のいるこの場所なんかより
もっともっと広い『外の世界』。
知りたい、けど怖い。
やっぱり最初は何でも怖いんだ。
人は自分が思っている以上に
臆病でデリケートなのかもしれない。
どこかでチャイムがなる。


こうして今日もまた始まる。

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