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第1章 孤児院

自分の身支度も終わらせて、水汲みの当番になったラックを羊飼いよろしく催促していると、施設長に声をかけられた。
「ちょっといいかな。当番はなかったよね?」
ラックが『早く行け』と目で訴えてきたので、やむなく施設長についていった。部屋の隅の椅子に座った彼女は、わずかに微笑みながら言った。
「君を引き取ってくれる人が見つかったよ。早いけど明日の昼過ぎに迎えに来る予定だから」
………。
引き取り手が見つかった?
明日の昼過ぎに迎えに来る?
じゃあ、明日ここを出るっていうのは…
「僕が…ですか?」
「うん」





前のめりに卒倒しかけた。

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