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第1章 孤児院

狭い食堂が一気に騒がしくなった。
出された黒パンは安っぽい。いつものことだけどこの孤児院の子供らには少ないような気がする。

隣から堂々とパンを取っていく食べ盛りの少女をぼんやり眺めた。明日、誰かがここを出ると聞いている。
ラックか、あの喧しい兄妹か。もしかしたらこの少女かもしれない。
服についたパン屑を払って、最年少の子供2人(3歳)を着替えさせる。また水をこぼしたのか、小さい服にはいくつか湿ったシミができていた。またこいつは、と呟くと、何も知らない無垢な2人はケラケラと笑った。

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