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被写体少女

第1章 スカウト

何か目的があって来た訳ではなかった。
けれど、たまにはお洒落してショッピング、なんて週末も悪くないと思ったからだ。

先月お母さんに買ってもらったばかりのLIZ LISAのワンピース。
地元で着ていても何だか浮ついて見えるのに、今日はちゃんと私を可愛く見せてくれている。
お気に入りのショートブーツはヒールが高くて歩きづらいけど、気分が引き締まっていい感じだった。

気合の入ったお洒落と、目元のさりげないメイクのおかげで、いつもよりも大人びて見えたのだろうか。
信号を待っている時、急に声を掛けられた。

「高校生?」と。

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