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カミカゼ短編集

第2章 「セックスってそんなイイ?」    …A×N

「前戯すんの、そんなメンドー?」

「まあ面倒は面倒だけどさ、それより不公平感の方がダンゼン強いわけよ。
女の子の方が圧倒的に気持ち良さそうじゃん」

「そう?男だって気持ちいいよ?」

「一瞬じゃない、そんなの」


ま~、すいぶん否定的だこと

あー言えばこー言うのは今に始まった事じゃないけど

一旦こうなると、案外ニノは頑固だ

そんでもって、俺はニノを口で説得するのなんか絶対ムリ

だったら…


「なってみれば?女の子側」

せっかくの俺の提案に、ニノが怪訝な顔をしたから慌てて言い直した

「あ、いや、じゃなくて。受ける側になってみれば、って事」

ようやく理解したのか、ビックリした顔して

それから額に手を当てて「あ~」と呻いた


「そういやアンタ、男もイケる人だったね…」

「うん。ニノは未経験だっけ?」

「アンタより節操ありますんでね」

「節操の問題じゃねーだろ」

「で?ワタシに男に抱かれてみろと」

「悪くないと思うよ?」


嫌だと思うくらいなら違う角度から挑戦してみればいい

物事って何でもそういうモンでしょ?


「ま~たアンタは…。ほんっとポジティブだねぇ」

「だってグチグチ言ってたってしょーがないっしょ」

「そりゃま、そうも言えるけどさ…」

ニノは額に手を当てたまま薄く笑った


「新しい世界、ってか?」

「クフフッ、そうだね」

「飛び込むの?俺が?」

「ドーンと行ったれ」

「ふふっ、アンタね。他人事だと思って…」

「ビビッてんの?」

「ビビッてねーし。と言いたいとこだけどさ、
そりゃ~チョットはビビんでしょ」


…まあ、そりゃそうか

俺も男とスる時は受ける側じゃないから

今ソッチ側になれと言われたら、ビビったりするかも知んないもんな…


「因みにさ、ニノは相手のアテとかあったりする?」

「男のセックス相手?そんなアテあるわけねーじゃん」

「…だよね」

考えてみりゃ、そうだよな~

未経験者なんだもん

じゃあ、今の俺のアイディア無駄なわけ?

いやいやいや、

だったら俺が一肌脱げばいいじゃん!


「じゃあ、ヤッとく?」

「はあ!?」

ニノはまた驚いた顔をしたけど

すぐに俺の言葉を理解して天を仰いだ


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