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カミカゼ短編集

第2章 「セックスってそんなイイ?」    …A×N

「…遠慮しときます」

「なんでさ」

対象外ってこと?

それってチョット傷つくじゃん


「だって俺とアンタよ?」

「そうだよ?」

「今更そんな…、えっ、アリなわけ?」

「アリじゃねーの?」


俺とニノの間柄だからこそ、俺はアリだと思うけどな

例えコレが1回きりでも

もちろん何度も続いたとしても

俺らはずっと一緒にいると思う

それは仕事仲間だから、とかじゃなくて

俺とニノだから

俺はそう確信してるけどな



戸惑ってるニノに近づいた

未だアンアン下手くそに喘いでるDVDを止めた

もう邪魔

これから、もっと凄い時間にしちゃうから


息が掛かる距離まで詰め寄っても

「近けーよ…」

そう言うニノは逃げない

「目ぇ瞑って」

「…やだ」

言ってる意味がわかってるだろうに

それでもニノは、やっぱり逃げない

これって暗黙の了解だよね


とりあえず少しだけ肩を抱き寄せて、ゆっくりと唇を重ねた

しばらく押し付けてると

「んふふふ……」

重ねた唇を震わせてニノが笑った


「なんだよ、キモい?」

「フフッ、だって…」

何となくわかるよ

照れちゃうよね

仕事じゃないのにキスするなんてさ

俺だってやっぱ照れるもん

でも…、全然嫌じゃない


クスクス笑う唇にもう1度キスした

今度は重ねるだけじゃなくて、隙間から舌で割り開いてニノの舌に絡めた


「…んぅ……」

笑い声が消えて、代わりに吐息が漏れる

歯列をなぞって、上顎を舌で撫でて

また舌を絡めると、ニノが少しずつ応え始めてくれた

どんどんキスが深くなっていく

気持ちイイ…

下手くそなAVなんかよりずっと、ずーっと気持ちイイ


ソファに寄りかかるように座ってた体をラグの上に押し倒した

キスをしたまま、ゆっくり


「んっ、…ンんっ……」

何か言おうとしてるニノの声が、唇の間で意味を無くすけど

構ってられない

興奮してるから


「……ちょっ…!」

肩を軽く押し戻されて、唇が離れた隙にニノが言った

「待てや、なんかグイグイ来すぎじゃない?」

「ゴメン、つい興奮しちゃって」

「"つい"じゃねーわ。ホントもう…」

「お前は?興奮してねーの?」

そしたらニノが顔を赤くして笑ったから、手を引いてベッドに向かった


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