一カラ始めよう
第2章 37.3℃
あの日から、なんだか変だ。
それ以前はただ一緒にいるだけでイラつくだけだったのに、
イラつきプラス心拍数が増すようになった。
でもその心拍数は他の兄弟といても起こらない。
カラ松といる時だけ起きる。
カラ松アレルギーでもなったのかな。
十四松「 一松兄さん 」
一松「 え? 」
十四松は猫じゃらしで遊んでいる俺の隣に座って、
十四松「 一松兄さん、最近元気ないね 」
無邪気そうな笑顔で十四松は俺を見るが、心配そえな表情にみるみる変わっていった。
一松「 え、全然なんもないけど 」
十四松「 ほんとに?ちょっといーい? 」
一松「 ん 」
十四松はだらんと伸びている袖からあまり見ることのない腕を出して俺の額に当てた。
十四松「 これ、きもちいーい? 」
一松「 ん、ちょうどいい気持ちよさ 」
十四松「 あ、やっぱり?一松兄さん熱あるよ 」
十四松は腕を袖の中に戻すと、戸棚の場所まで走って行き体温計を俺の脇に入れた。
十四松「 さっきね、トド松とチョロ松兄さんにやったら冷たい!って言ってたよ 」
一松「 え 」
ピピピッ、ピピピッ
一松「 あ、37.3℃ 」
十四松「 やっぱり〜!ちょっと待ってて!誰か呼んでくる! 」
一松「 あ、待って 」
俺は十四松の袖を引っ張って迎え合わせに座らせて、袖をまくる。