
Lost & Found
第2章 バラ庭園。鼻づまりの老犬
様々な花が咲き乱れている。鼻づまりの老犬が椅子に座っている。
「花粉症でね」犬が言った。「どうにも鼻水がとまらないんだよ」
「花を刈りましょうか。そうしたら鼻のとおりもよくなるかも」Aが言った。
「いや、それは困る。そんなことしたら花が見れなくなってしまうじゃないか。私はね、花を愛でるのが生きがいで」老犬が目をしばしばさせながら訴えた。「それに花のない庭園なんて、ね」
「でも、そんなに涙までながして」とAは言った。「毎年花のさく時期になると大変でしょう」「いや、時期はあまり関係ないかな、むしろ年中だよ」
「それは、もしかしたら」Aは口元に手をあてて少し思案した。「花じゃなくて、ハウスダストかもしれませんね」Aは老犬に、ハウスダストとは何であるかを説明した。
「花粉症でね」犬が言った。「どうにも鼻水がとまらないんだよ」
「花を刈りましょうか。そうしたら鼻のとおりもよくなるかも」Aが言った。
「いや、それは困る。そんなことしたら花が見れなくなってしまうじゃないか。私はね、花を愛でるのが生きがいで」老犬が目をしばしばさせながら訴えた。「それに花のない庭園なんて、ね」
「でも、そんなに涙までながして」とAは言った。「毎年花のさく時期になると大変でしょう」「いや、時期はあまり関係ないかな、むしろ年中だよ」
「それは、もしかしたら」Aは口元に手をあてて少し思案した。「花じゃなくて、ハウスダストかもしれませんね」Aは老犬に、ハウスダストとは何であるかを説明した。
