生徒会長の苦悩―初めてを貴方に
第2章 彼
「隆弘さん」
「ん?」
「…大好き」
「何だよ、改まって」
彼は照れくさそうに笑う。
「ん…なんか、ね。 大好きだから言いたかっただけ」
「嬉しいなぁ」
こういう時間が好き。
毎日の憂鬱とか辛いこととか全部忘れて、二人で照れながら話すこういう時間が―――
「俺も」
「え?」
「俺も涼子のこと大好き」
今―――胸がきゅんって…
「…ありがとう」
「何で『ありがとう』なの」
「だって……」
顔が熱い。
「…初めて…なんだもん。彼氏とか…『大好き』って言われるのとか…」
「そうなの?」
「…うん」
恥ずかしいよ。
好きな人にモテない自慢なんて―――