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君が書く手紙

第2章 ドナーを探して







「お帰り、麻里」


久しぶりに見た一軒家。



扉を開けるとすぐに、お父さんが迎えてくれた。



「ただいま。お父さん」



お父さんと向かい合って微笑みかけると、二階からどたどたと大きな足音が聞こえた。



「あー!姉ちゃん!もう帰ってきたの!?聞いてないよ!お帰り!」



「祐輔!ただーいま!」



弟の祐輔。高校2年生。


祐輔はボサボサの髪のまんまで、部屋着のまま下へと降りてきた。



今まで寝てたな?



そう思うとなんだかかわいくて、ついつい笑ってしまう。



「ね、チョコは?」



「チョコならほら、俺んとこにいるよ」



祐輔がまた二階へと行き、すごい速さで降りてきた。



「チョコ!」



わん!っと一つ鳴いたのはダックスフンドのチョコ。


そうそう、私、チョコに会いたくてたまらなかったのよ。


チョコが私の頬を舐める。



そんな私とチョコを見て、お父さんもお母さんも、祐輔も



嬉しそうに笑っていた。



「これからはずっと、この家にいられるんだな」


「うん。私、もう元気だよ」



そう、
元気だよ。



私は今までの中で一番元気。




そんな私を見せられただけで幸せ。



病院から退院して、これからは家族のもとで過ごしていけることが何よりも嬉しかった。



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