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君が書く手紙

第1章 新しい私








目を開けると、うっすらと白い天井が見えた。




ああ、あれは見慣れたシミ。



風が心地よく私の肌をかすめる。



目を泳がせると、そこにはお母さんの心配そうな顔があった。



「麻里!」



「お母さん・・・」



お母さんは目に涙を浮かべて、私をぎゅっと抱きしめた。



「良かった。良かった!あなた、よく頑張ったわね」



泣きながらそう言うお母さんの言葉で、私は知った。



私は、手術に成功したんだ。




私は、病気に勝ったんだ。





そう思うと嬉しくて、私はそっと胸に手を当てた。



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