背徳教師
第2章 二時間目
「はい?どうしました?」
俺は、安堵の表情を浮かべる数学教師の和重(カズシゲ)先生を見る…
「すみません…
これから部活の練習試合で他校に行くんですが…
図書委員の新書棚入れのチェック日だったのをすっかり忘れてて――――…
底梨先生…図書委員の方代わりにチェックしてもらっていいですか?」
和重先生は、学生時代バレーをやっていたらしく…今年からバレー部の顧問も任されはじめた…
流石に、バレー経験者…背が高い…
俺は、目の前に申し訳無さそうにしている彼を見上げ微笑む…
ほら――――…
甘い“背徳”の予感がする…
「えぇ、私は構いませんが?
珍しいですね…和重先生がうっかりするなんて…」
和重先生の表情は、パッと明るくなった
「いいですか?!本当に助かります!!
部活の顧問になったのは今回がはじめてで…スケジュール管理がメチャクチャになってしまいました…面目ない…
新しく入る本を役員の生徒が振り分けますので、見届けてくれるだけでいいですから!」
和重先生は、すでにジャージ姿…
委員会の件は、さっき思い出した!って、感じだろう…
「そんな時も有りますよ…
図書委員の件は、解りました。和重先生、練習試合頑張ってください」
俺的には、擬似的でも委員会の顧問を体験できるのだ…
彼の、うっかりに感謝だ…