
背徳教師
第3章 三時間目
俺は、最寄りの駅で降り…
歩いて学校に向かう…
当校の生徒も何人か電車を降りてきた―――――…
耳を澄まし…会話を聞いていると…
手前の駅で降りた痴漢の事を話題に出している
あんなに騒いだんだ……他の車両にいても耳に入る…
俺は、そんな生徒を見ながら哀れな痴漢に心のなかで手を合わせる…
「――――…ん?あの娘は…」
ふと…何メートルかを先に歩くわが校の制服を着た女子高生が目に留まった…
制服が真新しい1年生だ…
何度か授業を受け持った事がある……
スマホを片手に歩いている姿を俺は思考を巡らせる―――…
「あ…あの娘…」
思い出した…
彼女は…俺と同じ車両に乗っていた…
しかも……痴漢されていた女性の近くに立っていた!!
災難だっただろう…
一歩違えば―――…彼女が痴漢に会っていたかもしれないのだ…
俺は、早や歩きでその生徒に近づく―――――――…
