
背徳教師
第3章 三時間目
俺は、すっと菅野の後ろに立つ――――――…
「そのまま…動かないで…」
菅野は、背後に立つ俺の気配に体を固くし身構える――…
「///せ…先生…」
「シっ!ここは教室や職員室から離れているけど…文学部の部室は近いから……声出すと……怪しまれますよ?
このまま聞いてください…」
俺の、言葉に菅野は慌てて口を押さえコクンと頷く…
ショートボブの髪は、菅野の真っ赤に染まる頬を隠しはしない…
緊張…恐怖…絶望…希望…
菅野の頭のなかはこれらが目まぐるしく走り回っているだろう…
「菅野さんのスマホ…1日お借りしました…
朝の動画…よく撮れてましたよ」
スマホを菅野の耳元にかざし…再生ボタンを押す…
ガタンガタンと電車の車輪音が響く車内の風景が…ゆっくりとスマホの画面から流れていく…
菅野は、目を見開き…青ざめていく――――――…
「盗撮……ですか?」
菅野は絶望的な顔をする……
