
背徳教師
第3章 三時間目
「…違います……盗撮なんて…してません…」
か細く…今にも途切れそうな声が…菅野の口を押さえた指の隙間から聞こえてきた…
目が泳ぎ……覇気がない…
虐めているみたいで気が引ける…
「盗撮じゃないとしたら…この動画は…“一か八かのスタンバイ”って所かな?」
菅野は、驚きながらも…目を泳がせる―――――…
「///な…何の事ですか?」
菅野は、後ろに立つ俺に…肩を震わせ……動揺する…
「―――――…何って…
菅野さんが、痴漢に会った時のためのスタンバイ……違う?
始まってからカメラの準備するより、最初から録画モードにしておかないと…決定的瞬間を逃すかもしれませんからね――――…」
菅野が…ゆっくり…俺に振り向く……
