背徳教師
第4章 四時間目
「は…はい……薫ちゃん?」
植物の間から…返事が聞こえたが…なんともオドオドした声だ…
「あ!早乙女さん!!
底梨先生が見学したいって…いいですか?」
ガサガサと…植物の間から…早乙女が顔を出した…
この子……原と同じ二年生の……
早乙女 杏樹(サオトメ・アンジュ)だ…
「ガーデンハウスを見学してもいいかな?ついでにお手伝いもしますよ?」
早乙女に微笑みかけたが……
怯えた感じで後退りされた…
こんな反応は…珍しい…
男性に免疫がない…臆病な感じが伝わってくる―――…
「早乙女さん……勝手に決めて先生を呼んだけど…ダメだった?」
「―――…だって…今日は…」
俺の前では、身構え警戒しまくっている早乙女だが…
原の前では、違うらしい……
俺的には…紳士の笑顔が通用しない彼女に注意したいところだが…
背中から腰にかけて…ザワザワする感覚が“背徳”の何かをキャッチしていた…