ヤキモチ妬きの彼氏君。
第1章 *ヤキモチpart1
正直話した暁には、きっと、いや確実に私の元彼である隆(たか)の命は無いだろう。
「ふーん。じゃあどうして俺が近寄るごとに、麻美(まみ)は後ろに下がってるのかな?友達って言うのが本当なら、やましい気持ちなんてあるわけ無いから、普通は逃げないよね?」
それはその通り。
やましい気持ちがあるからこそ下がってしまうのもあるが、例えやましい気持ちが無くても陸のにこにこ笑顔の後ろに悪魔が見えるから仕方ない。
「あ、」
「残念。もう下がれないみたいだね。俺はもう少し麻美と鬼ごっこしてもよかったんだけどな」
心底残念そうな表情をしているが私は騙されない。
ドS、鬼畜、人でなし、言える言葉は山ほどあるが、この状況でそれは逆効果。