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琥珀荘の奇妙な住人達

第3章 理解不能to罠にかかった主人公

俺達は親睦会ならぬ、自己紹介会を終えた。そして、引き続き俺の部屋で雑談会が始まった。

「それにしても、何であんなに好条件だったんですか?条件とか掃除だけで良いなんて…。それに、こんな条件いいなら、住居希望者とかいっぱい来るはずなのに、見る限り一階と二階にはぼちぼち空き部屋とかありましたし…」

俺がジュースを口に運びながら尋ねれば、葵さんが答えてくれた

「んー、俺はね、ある程度決まった条件が当てはまった人だけここに入れているんだよ。家賃とかは、まぁ、気にしないで」

(凄く気になる……葵さんって実はお金持ちだったりして)

そんな妄想が頭を遮る中、さっき言っていた言葉の中の一つが引っかかっていた。

「条件?……って、何ですか?」

すると、辺りでいろんな人と好きなように話していたみんなが、話を止め一斉に俺を見たのだ。

「……え?!…あ、あの、どうかしました?」

(あまりの揃いっぷりに軍隊みたいで少々ビビりました、はい。)

すると雅が知らなかったんですか?、と言って俺に教えるように前に座った

「それはですねぇ…人が(んぐ!?んー?」

「止めろ雅!それ言ったら…」

すると、渚が雅の口を押さえた。

「人が…?」

おい、重要なトコ聞こえなかったんだけど?みんな知ってるっぽいのに何で教えてくんねぇんだよー、そーいうの仲間外れって言うんだぞ
すると、渚が、もごもご言っている雅に何かを耳打ちしていた。
すると、雅は頷き、渚は手を離した。

「いやー、こいつ何か変な勘違いしててさー?あはは~」

「そ、そうなんです、ごめんねー?本当はなんにも知らないのです、ははは~」

(おい、笑い方が急に下手になったぞ。)

「何隠してんですか…」

じっ、と二人を見れば、更に怪しく

「勘違いもほどほどにしろよー?雅~」

そう言い、笑いながらぽん、と雅の肩を渚が叩いた時……事件は起こった。

ゴトンッ

床に何かが落ちる音。
それの音の数秒前に、雅の頭が、まるでボールが落ちるかのように床に落ちていった。
ゴトン、とぶつかる鈍い音をたて…

「あ、あ、頭があぁあああああ?!」

その状況を把握したのが10秒後。
俺は驚き、目を見開きながら叫んでいた。

「渚、どんな強く叩いたんだよ!!ど、どうすれば…?!」

「あー、待ってください~」

すると、目の前から雅の声がした

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