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琥珀荘の奇妙な住人達

第3章 理解不能to罠にかかった主人公

目を覚ました時、俺は自分のベッドの上に寝ていた。

「ん……?ぅ…なんで、俺…」

昨日の事……昨日は確か住民のみんなが人間じゃねーってなって……

「あ、もしかして。」

俺は手をポンッと叩く。

(そうだ、そうだよ…)

「昨日のは全部夢な「夢じゃねーに決まってんだろ」ぎゃああああぁぁ?!」

ベッドの横から顔を出す赤い獣耳。
この声は……

「渚?!」

「よっ、おはよーさん!」

にかっ、と笑い手をひら、とさせる渚。
あ、耳と尻尾はそのままでも服は変わるんだな……
昨日の動きにくそうなジャケットとは違い、今日は楽めなシャツとジーパンのみだった

「…って、何のんびり見てんじゃ俺ェエエエ!!」

「うおっ、なんだよいきなり叫びやがってww」

俺が叫ぶと、渚はビクッ、と肩を揺らす。

「あ……そういえば何で部屋に居るんですか…?」

「あぁ、葵がみんな分の飯作ったからみんな呼んでこいだとよー。」

葵さんってご飯も作れんだー。家庭的だな~

(……いや、そうじゃなくて)

「どうやって部屋に入ったか聞いてるんですよ、不法侵入ですよ…」

「鍵、開いてたから入った。てかお前昨日倒れてたんだから鍵閉めてなかっただろ?ww」

「あ、そういえば…」

昨日事を思い出して、はっ、となる。確かに昨日は閉めてなかったからな……
いや待て、渚にいい具合にまるめられてるけど、実際不法侵入なのは変わらなくね?チャイムで呼んでくれれば良いものを…

「ほら、早く支度して行こうぜー?飯が冷めちまうだろ?」

そう言われ、俺はしぶしぶ頷き準備を始める。
そして準備をしながら思ったのだが、
普通に受け入れちゃってた俺って、普通に会話して、普通に対応出来てた俺ってもう手遅れなのかもしれねぇ…orz

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