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琥珀荘の奇妙な住人達

第2章 親睦会とはごく稀に主役を傷つける。

「よし……こんなもんだろ。」

新しい住まいは琥珀荘二階の204号室。
ここのアパートは、部屋はそれぞれで各部屋に風呂、トイレ付き。その他には共用リビング。部屋を出て一階にあり、内側から各部屋に廊下で繋がっている。
部屋へと荷物を移動して片付け終わりようやく俺、真冬の新住まいとなる部屋が完成した。
元の実家からは必要最低限の荷物しか持って来なかった為に、ベッドとガラステーブルとタンスしか無い、とてもシンプルな部屋になったがまぁ、いいだろう。
家具はこれから買い足せばいいし。
ふぅ、と息をつき床に座っていればドアからノック音と声が聞こえた。

「真冬君?居るかい?」

この声は葵さんの声だろう。

「はーい、どうしたんですか?葵さん。」

扉を開ければ葵さんがにっこりと微笑んでいた。

「どうだい?荷物整理は終わった?」

葵さん、彼はこの琥珀荘の管理人さん。
とても優しく、俺の引っ越し手続きなどのなんやかんやをほぼ全てに渡って助けてくれた。本当にイイ人っっ…

メガネをかけており、青色がかかった髪が耳にかかっている。とても大人っぽい感じでとても頼れる感じの人。

「はい、終わりました。まぁ、もともと荷物が少なかったんで楽でしたけどね。」

俺が苦笑いして見せれば、葵さんは微笑みを返してくれた。

「あ、そうだ。そういえば…」

彼がそう何かを言おうとしていた時、どこからか声が遮ってきた。

「おい、葵ー、そこが新しい住人の部屋かー?」

すると、葵さんの横からひょっこりと、二人。顔を出してきて。

「あ、えっと……?」

「あぁ、真冬君ははじめましてだね。彼らは渚と駿。二人共この琥珀荘の住人だよ。」

「お前が真冬か。俺は渚。この下の階に住んでる。よろしくな」

赤いはねた髪と黄色い瞳の男子がそう言う。

(何だコイツ?!初対面でタメ口呼び捨てとか?!なんと失礼な……)

俺は口元をひくひくとさせながら、出来るだけ自然に、「よろしく…」と言った。

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