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琥珀荘の奇妙な住人達

第2章 親睦会とはごく稀に主役を傷つける。

「何って、よろしくのハグ♪」

「いや!?…そ、そういうことじゃなくてですね?!」

「あ、もしかして。」

ばっ、と首筋から顔を上げた悠真さんが、俺をじっと見つめこう言い出す

「キスの方が良かった?」

「キ、キ、キスッ?!///」

一気に顔が真っ赤になるのが分かった

「わーお、ピュアボーイってやつか。ってか、今の時代にキスって聞くだけで赤くなる男なんて居たんだな。」

おい、全国のピュアボーイに失礼だぞ。謝れ。
違う、それよりも……

「離れ…やがれぇぇええええ!!!」

俺は隙を見て相手を押しのける。

「おっとと……いやー、面白い奴だなぁww」

よろけながら、あはは、と笑う悠真さん。

(今の何に面白い要素があったんだよ?!)

「こらこら、悠真?スキンシップはほどほどにって、前から言っているだろ?」

俺と悠真さんの間に、割り入ってきたのは葵さんで。

「んー?だからほどほどに抑えただろ?本当はディープキスでも良かったけどな」

笑顔でとんでもない事を言い出したなこの野郎。

「ふざけんな!!誰が初対面の奴にファーストキスをやるもんかっ?!」

口を手で隠しながらそう言えば、何故かみんなしてこっちを見ていて…

「え……?」

「ファーストキスも、まだ……?」

「嘘…だろ…」

「…たこ焼き……食べたい」

……最後の関係無くね?
というか、地味にみんなの言葉が胸に突き刺さる。
そして、更に気がつく。
こんなほぼ初対面の面々に、今、俺はコンプレックスの一つを暴露してしまったのだ。

(…なんていうことだろう。)

「消えたい。」

そう呟き顔を両手で隠す俺に、励ましているのだろうか、駿さんが優しく肩を叩き顔を覗き込むようにして……

「………ドンマイ。」

…逆にダメージ受けました(泣)

___
そして、俺はコンプレックス暴露という最低な結末を迎え、親睦会は幕を閉じたのだった。
しかし、本当に最悪を迎えるのはこの後……
とある事件が起きてからというのを、俺は知るよしもない。

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