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Spring Blind ~風の中、歩き出す~

第2章 悪いお知らせと気持ち。


それをよく見ると、県外の有名校だった。
「っ…! 何で…!」
勝手に決められた事と、歩風と離れてしまうという事が分かった途端に、沸々と怒りが沸いてきた。

「何か言ったか?」
「何で…」
「聞こえない。 言いたいことがあるならはっきり言え」
父さんの態度に腹が立った俺は、声を大きくして言った。

「何で…。 何で勝手に決めたんだよ! よりによって県外とかふざけるな! 俺は自分が行きたいと思った高校に行きたい!」
父親にこうして気持ちをぶつけたのは、数年ぶりだった。

「お前、最近のテストの点数が落ちているそうじゃないか」
「…何で、それを知っている…?」
「お前の部屋にあったのを見た」
…勝手に部屋にまで入ったのかよ…。 
何だよ、マジで…。

「だから、何? 自分の進路位、自分で決める権利俺にもあるだろ? だから邪魔しないでよ」
「もう、決めた…。 手続きも、さっき終わらせてきた所だ…」

冷酷にそう言われ、次こそ「はあ!?」と言ってしまった。

「だから、勝手にやるなよ! いい加減にしろよ! 何でそうやって…!」
「…お前の事を考えての事だ。 分かってくれ」
「…誰が分かるかよ、そんなもん!」

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