Spring Blind ~風の中、歩き出す~
第2章 悪いお知らせと気持ち。
父さんの言葉に頭にきた俺は、そう言ってドアを荒々しく開けてリビングを飛び出し、部屋にこもった。
途中で母さんが俺を呼ぶ声がしたけど、無視してしまった。
「くそっ…。 何で…、何で!!」
誕生日に歩風にもらったネックレスを握りしめ、泣いた。
家にもまともに帰ってこないくせに…!
どうしてそういう大事な事だけは勝手に決めるんだよ!
ホント、意味分かんねえ…!
このままじゃあ、歩風と離れちゃうよ…。
このままずっと一緒に居られると思っていたのに…。
「ああ! もう!」
そう言って思いっきり壁を殴り、ベッドに転がった。
モヤモヤした気持ちを抱えたまま、いつの間にか俺は眠ってしまった…。
…次の日、父親がいなくなってから母さんと話した。
母さんは、何度も父さんを説得して、止めてくれたらしい。
だけど、母さんの話を聞かずに手続きをしに行ってしまった、と…。
母さんは、ずっと「ゴメンね、剛典…。 本当にゴメン…」と、ずっと俺に謝っていた。
母さんは、何も悪くないのに…。 悪いのは、父さんなのに…。
やっぱり、うちで信頼できるのは、母さんだけだ。
そう改めて信じる事にした。