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Spring Blind ~風の中、歩き出す~

第4章 卒業式と、初恋。


しばらく歩くと、着いた。 
軽く深呼吸をすると、チャイムを押した。
「は~い」と元気よく出てきたのは、スーツを着た爽風君…。 
…なぜスーツ?

「おう、おはよう。 剛典」
「おはよう、爽風君。 …何でスーツなの?」
「ま、ちょっと入って待ってて」
「…うん」

5分位慌ただしかった鈴木家。 少し落ち着いたと思ったら、また爽風君が来た。

「どうしたの?」
「もう少しであゆ来るから」
「あ、うん」

…本当にもう少しだけすると、制服姿の歩風が来た。 
制服の着こなしも、ツインテールも変わらないのに、いつもよりもちょっと可愛いと思ってしまったのは、ここだけの話…。

「おはよう、剛典」
「おっ、おはよう!」
「…?」
少し声が上ずってしまった。 
…俺が考えてた事、バレてないよな…?

「行こうよ」

「う、うん」
少し挙動不審な俺を不思議がりながらも、玄関を開けた。

「行ってらっしゃい! 俺も母さんと父さんと後で行くから!」
「爽風君、来るの?」
「うん!」
…だからスーツだったんだ…!

「妹の卒業式は絶対に行くだろ! …後、先生達に成長した俺を見せに行くんだよ!」
「お兄ちゃん、中身変わんなくない?」
…歩風、ボソッと酷い事を…。

「ん? 何か言った?」
「いや、何も? じゃあ、行ってきます!」
「行ってらっしゃい!」

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